アブソルの野生証について
ふと疑問に思った事があったので、筆を執った次第です。
考えている事を書き起こしながら筆を進めているので、まとまりのない文章になり兼ねないし、着地地点もままならないまま終わってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
ポケットモンスターソード・シールドに入り、野生のポケモン達の中で低確率で証を持つポケモン達を入手できるようになりました。
所謂「野生証」というそれらは、それをコンプリートしようと捕獲に励むマニアまで排出するやり込み要素の一つになっていると思います。
そんな中、2020年10月から剣盾のDLC第二弾である「冠雪原」より、アブソルも吹雪という悪天候限定ながら野生で出現するようになりました。
それは言い換えれば野生証持ちのアブソルを厳選出来るという事です。
私も半年ほどかけて出会うアブソル全て捕獲し、約2600匹辺り私の手元にアブソルを置いた中で出会える野生証を全て手に入れる事ができました。もふもふパラダイス。
勿論2000匹以上預けるスペースは一つのロムにはないので、証持ちではない子達は全てポケモンホームで仲良く暮らしていますが、手に入れた証持ちの子達は育成済みはメインロムに、未育成はサブロムのボックスにおります。全て育成する日が楽しみです。
さて、そんな私の事情は置いといて、今回私が気になったのは野生証の出現頻度……というよりレア度の話です。
基本的にどのポケモンも証の種類の出現率は同じで、一番手に入れやすい証は「ときどきみるあかし」二つ名は「ひとになれてる〇〇」。
それよりも高レアな証として「みたことのないあかし」二つ名は「ひとをしらない〇〇」というものがあります。
確かにトレーナーが人である以上、人前によく姿を現すのは人に慣れてる方だろうと推察すればこの確率は正しいように思われます。
ですが、ちょっと待ってほしい。
ポケモンによってはこれ逆のパターンもあるんじゃないかと私は思うんです。
秘境に生息して滅多に姿を見せないポケモンがいたとして、なんで「ひとになれてる」奴がバンバン現れるのか。
むしろ人に慣れてなかったり人を知らないポケモンの方が実際は多いのではないかと、私は思うんです。
ちなみに2600匹程捕獲した中で「ときどきみるあかし」持ちのアブソルは約150匹程、「みたことのないあかし」は大体10匹程。母数を考えればどちらも少ない方ではあるものの、二つの数だけ比べればその差は約15倍。
アブソルのカンムリ雪原での生息域は広いですが、出現率はほぼ一律の5%。
一部出現率10%と高い所もありますが、山の頂まで登る必要があり、そこまで人が訪れる事はほとんどないと言っていいでしょう。
しかも場所によっては出現率1%と、最早いないに等しいところまであります。
更に出現する日は猛吹雪の日一点で、それ以外の天候では一切姿を現しません。
これ程出会うのに悪条件が揃っているのなら、アブソルは「人に慣れてる」どころか「知らない」方が多いのではないかと私は思うんです。
ぶっちゃけ人を知らないアブソルが150匹程度、人に慣れてるアブソルが10匹程度でもおかしくない。
いや、勿論人に慣れてて友好的なアブソルというのも大変乙なもので、可愛がりたい衝動に強く駆られますが、やはり山の崖際に悠然と立ち、下界を見下ろすが如く雪原の様子を見守る神聖不可侵なアブソルを私は見下ろされる数多の衆生の一粒として拝みたい。
…………いや、待てよ。少し冷静になろう。いや、至って冷静だが。
「人に慣れてる」というのはどの程度を指すのだろうか。
私は勝手に「人に友好的」だとか「懐いている」レベルまで想定してしまった。
だが、慣れているだけで友好的だとは限らない。
少なくとも警戒され、逃げられる又は襲い掛かるレベルにはいかず、あくまで「中立」な立場をとっているだけかもしれない。
そもそもアブソルは災害を予知すると、山を駆け下り人里に姿を現し、それを告げるというポケモンだ。あくまでそれ以外の時に姿を現す事がないだけで。とても素敵。
……ならば人に慣れているアブソルというのは、災害を予知し、人里に降りた経験のあるアブソルということにならないだろうか?
アブソルの寿命は100年程と言われている。その100年の間ならアブソルが降り立つほどの災害が頻繁に起こっていても不思議じゃない。
もしかしたら私が捕獲した人に慣れているアブソル達約150匹は、過去に災害を経験し、人々に知らせた事があるアブソル達で、直近でアブソルが降り立つほどの災害が無かったとすれば、それなりに年を重ねた老獪なアブソル達なのかもしれない。なにそれカッコイイ。
そう考えるとボックス等という簡素な所に住まわせてしまうのは大変申し訳なくなる。
ポケモン公式はさっさとポケモン牧場のスイッチ版を販売すべきだ。
それかポケモンホームをより「ホーム」らしくしてほしい。
少し話が逸れたので戻そう。
人に慣れてるアブソルが災害予知で人里に来たアブソル達ならば、逆に「人を知らない」アブソル達は災害を経験せず、人里に降り立つ事が無かったアブソルなのかもしれない。
ならば少なくとも長い年月は生きていないはず、長い時を生きればそれだけ災害を経験する可能性が上がるはずだし、実際同じ地域に住んでいるアブソルが沢山いるのだから一匹だけ長い時を生きているのに偶々災害を経験していない、等というのはおかしな話だろう。
つまり「人を知らない」アブソル達はまだまだ経験不足の若い個体なのかもしれない。可愛い。
しかしそうなると一つ問題がある。
捕獲したアブソルの数2600匹程の中から「人を知らない」アブソルの数は約10匹、割合で言えば0.004%程。
勿論証を持たないアブソルが大半なので、証持ちじゃない中でも若い個体はいるのだろうが、それにしたって「人に慣れてる」アブソルと比べるとその数は少ない。
「人に慣れてる」アブソルが比較的高齢に達していて、「人を知らない」アブソルが比較的若年であると推測するならば、野生環境のアブソルは今、大変な高齢化を迎えている可能性がある。
元々出現率の低さから稀少なポケモンである事は疑うべくもないが、アブソルの年齢比率は日本の高齢社会と同じような構図をしているかもしれない。
そう考えると由々しき事態の様にも思えるが、しかしちょっと落ち着いて考えてみよう。
アブソルの寿命はポケモン図鑑によれば100年ほどと言われている。
ポケモン世界の平均寿命は分からないし、ポケモンによってはその10倍生きる一般ポケモンもいるので推しはかる事は出来ないが、それでも現実世界の動物達と比べればかなり長命だ。
特にアブソルの形態上、現実の動物に当てはめるなら哺乳類、鋭いツメや「かみつく」を習得する事から肉食の可能性も十分にある事から、哺乳類の中でも食肉目に相当する、又は近いのではないだろうか。
全ての食肉目の寿命を把握しているわけではないので推測でしかないが、それらの動物達と比べてもアブソルは長命であると言っても良いだろう。
長命であり、何度も繁殖期を迎え、子育てをきちんと行うのなら一腹卵数も少ないはず。精々1~2程度。
そうして生まれたアブソル達も何割かは成熟前に死亡してしまうだろう。雪原の環境はそう楽なものじゃない、多分。
そうなると成熟するアブソルの個体はそれほど多くはないのではないか。
であれば自然と若い個体よりも年を重ねた個体の方が多くなるのではないか。
そう考えればアブソルの野生証につく「ひとになれてる」アブソルの割合が多いのは、実はとても自然な事なのかもしれない。
残念なことにここまで話を展開しておきながらそれを確かめる術は一切持っていない。
つまりここで話した事は全て憶測にすぎず、実際はもっと違う現実があるかもしれない。
しかし、証の数からここまで推察できるようになった事を考えると、ポケモンの世界はまだまだ奥深いのだなぁと実感させられる。
何はともあれ、厳しい環境に身を置きながらも、自然災害を予知すれば人々に知らせるアブソル達に畏敬の念を抱かずにはいられない。
嗚呼、アブソルもふりたい。